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導入事例

従来の紙への印刷やSNSなどを活用したコミュニケーションデザインだけでなく、タッチパネルの製造や主に樹脂表面の加飾を実現する転写箔の印刷などを幅広く手がける日本写真印刷株式会社。世界各国に生産・販売拠点を置く同社は、グローバル共通の基幹システムにSAP ERPを採用。SCSK株式会社の導入支援を受けてグローバルテンプレートを構築し、アジア/アメリカ/ヨーロッパの現地法人9社へのロールアウトを実現した。SCSKの海外現地法人による支援体制のもと、情報基盤の統合によるガバナンス強化と同時にグローバルな人材育成を達成している。
社名 日本写真印刷株式会社
設立 1946年12月
資本金 56億8,479万円
従業員数 983名(連結3,396名)
2012年3月現在
URL http://www.nissha.co.jp
事業内容 産業資材事業
ディバイス事業
情報コミュニケーション事業

日本写真印刷株式会社様


SAP ERPの海外展開とともにグローバル人材を育成

日本写真印刷株式会社
執行役員 兼 最高情報責任者
管理企画室長
コーポレートSCM部門担当
青山 美民 様
日本写真印刷株式会社
IT部
アプリケーショングループ
グループ長
山本 敬博 様
長年培った印刷技術をベースに、「産業資材」、タッチパネルなどの「ディバイス」、「情報コミュニケーション」の3事業を展開する日本写真印刷。 高度な技術に裏打ちされた「NISSHA」ブランドは海外でも高い評価を獲得している。 グローバル統合情報基盤としてSAP ERPを採用した同社は、2010年4月に国内全拠点へのビッグバン導入を終えた。並行して、連結管理機能とコンプライアンスの強化、連結ベースでの業務プロセス効率化を目的に、海外拠点へのロールアウトにも着手。 しかし国内プロジェクトを通じて、さまざまな課題も見えていた。 国内拠点の本稼働直前の2009年末、最高情報責任者(CIO)として同社に着任した管理企画室長 コーポレートSCM部門担当の青山美民氏は次のように語る。
「SAP ERPを初めて導入した国内のプロジェクトでは、課題やリスクなどのマネジメントが十分に機能しているとはいえず、メンバーのモチベーションにも影響を与えていました」
そこで海外展開プロジェクト開始にあたり、同社はSCSKを導入パートナーに指名し、心機一転、新体制でプロジェクトに臨んだ。パートナー選定の理由を青山氏は「中国、アメリカ、ヨーロッパの主要拠点に現地法人を置き、ダイレクトに導入が支援できるSCSKの体制と、海外で20年以上にわたって導入を手がけてきた実績を評価しました。 海外にサービス拠点があっても体制が十分でないベンダーが多い中、SCSKは活動も活発で営業体制も整っていることから、信頼に足るパートナーと判断しました」と説明する。
一方、社内ではグローバル人材の育成も大きなテーマだった。 そこで次世代を担う若手社員を情報システム部門や財務部門からプロジェクトメンバーに抜擢し、SCSKのコンサルタントと共に海外展開チームを編成した。

チーム間で競争しながらプロジェクトの課題管理に取り組む

2009年10月にキックオフしたプロジェクトは、ロールアウト準備と、ロールアウトの2段階で進める方針を採用。準備フェーズでは導入拠点の現地視察を実施し、必要要件をヒアリングして導入プランを策定した。先行稼働した国内のシステムをベースにグローバルテンプレートを作成し、各拠点共通で利用する機能やインターフェース、法規制や税制など各国個別の要件を盛り込んだ。

グローバルテンプレート構築後の2010年8月からは、アジア、アメリカ、ヨーロッパの9拠点(事業会社)を対象としたロールアウトをスタートする。ロールアウトで特筆すべきポイントは、導入拠点をグループA(3チーム)と、グループB(4チーム)の2つに分け、前半をグループA、後半をグループBの一斉稼働としたことだ。
「複数のチームが同時進行して切磋琢磨することで、効率を高めることが狙いです。投入できる自社のエンジニア数に限りもあったため、負荷を考慮して2段階に分けました。特に前半のグループAは、成功体験を得ることを優先して導入が比較的容易な拠点を選び、後半への足がかりとしました」と青山氏は明かす。
それまで海外拠点は個別に基幹システムを運用していたため、既存環境からの変更を余儀なくされた。そのため、IT部アプリケーショングループグループ長の山本敬博氏は「ロールアウトフェーズの直前にも現地視察を行い、業務要件を再ヒアリングしました。各拠点の責任者と密にコミュニケーションを図って疑問点を洗い出し、ERP標準機能を活用する方針の理解に努めました。また、個別対応の判断が難しい場合は、現地のコンサルタントに任せきりにせず、現地の業務で使っている資料を取り寄せて実際の業務をイメージしながら問題の解決をサポートしました」と振り返る。
一方、プロジェクトマネジメントでは、チーム間の競争意識を徹底させるために数値評価を導入。全チーム共通の進捗シートを作成し、1週間単位で課題の増加率と解決率の推移を数値化した。未解決課題については、1つひとつ詳細に掘り下げ、意思決定が遅れている問題については本社の経営層に解決を促したり、開発リソースが不足している場合にはSCSKとの調整によってリソースを追加したりしながら、開発サイクルを推進していった。
「チーム共通の課題シートを作ると、他チームの進捗状況が必然的に目に入るため、メンバーは競って課題解決に取り組むようになります。その努力は具体的な成果として実り、モチベーション向上にもつながりました」(青山氏)

SAP HANAを活用し意思決定を迅速化

トップの強い意思と独自のプロジェクトマネジメントが功を奏し、予算超過もなく、グループA、グループBともに6カ月以内で導入を終えた。一部の拠点では、約1カ月の前倒し稼働も実現。グローバル人材の育成についても期待以上の成果が現れたという。
「チームによるプロジェクトで多くのノウハウを得た結果、コアとなるメンバーが育成できました。ロールアウト後に実施した機能追加の進捗を見ても、自信を持って開発に当たっていることが目に見えてわかります」(青山氏)
日本国内と海外拠点の業務プロセスを統合したことで、連結ベースでの業務効率化や、管理機能の強化が実現。グローバル在庫の可視化、連結決算期間の短縮、コンプライアンス強化などの効果が得られた。
「今後は蓄積したデータを元に情報の分析を進めていきます。多角的な切り口で状況を把握、分析した結果をフィードバックし、次のアクションにつなげることも可能です」(山本氏)
2012 年9月には、SAPのインメモリーソフトウェア製品「SAP HANA」とDWH の「SAP NetWeaverBW」を組み合わせた「SAP BW on HANA」が稼働。システムのデータ分析に活用し、意思決定とそれに伴うアクションの迅速化を図る。さらに今後はSCMなどの分野で国内外の業務連携の緊密度を高め、さらなるグローバル統合を目指していく考えだ。
プロジェクト全体に関わったSCSKに対しては、「厳しい要求に対しても真摯かつ迅速に対応され、現地法人との外国語によるコミュニケーションにも助けられました」と青山氏は評価し、今後の保守対応、さらなる提案に期待を寄せていると語った。

弊社担当者(SE)

SCSK株式会社
ビジネスソリューション事業本部
西日本ビジネスソリューション部
アカウントエグゼクティヴ
竹尾 勝義
SCSK株式会社
ビジネスソリューション事業本部
西日本ビジネスソリューション部
マネージャー
保井 大輝
SCSK株式会社
ビジネスソリューション事業本部
西日本ビジネスソリューション部
コンサルタント
石沢 厚史